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「量子論を楽しむ本」いやー面白かったです。社会人が楽しく「ダブルスリットの実験」や「シュレーディンガーの猫」をある程度正しく理解できます。。科学が好きな大人にお薦めできる「量子論を楽しむ本」です。
学術的な説明は少なく、文章として量子論の概要を知ることができます。物理や科学の知識が無くても量子論を楽しめます。悪くいえば本当の知識は手に入らないでしょう。
ちなみに半年前に1回読んで、最近また読み直しました。量子論を知りたい人は一読する価値があります。何が面白いかご紹介します。
1章から3章は、光の話しから、原子の話しになって、電子のさまざまな実験を得て、量子論ができるまでの歴史の説明です。この部分はつまらないです。挫折しそうになります。読み飛ばしましょう。くじけないことが大切です。
4章から面白くなってきます。「電子のダブルスリットの実験」「観測」「不確定性原理」など、量子論の不思議な世界が出てくるのです。アインシュタインが提案した「EPRパラドックス」もワクワクします。
1章 量子の誕生―量子論前夜
2章 原子の中の世界へ―前期量子論
3章 見ようとすると見えない波―量子論の完成
4章 自然の本当の姿を求めて―量子論の本質に迫る
5章 枝分かれしていく世界―解釈問題を追う
6章 究極の理論へ向けて―量子論が切り開く世界
量子論を簡単に説明すると、ミクロの世界(電子や原子)を考えるための理論です。ミクロの世界は、私達が見ている大きな世界の物理法則は通用しません。なぜ通用しないのか。なぜ量子論のようになるのか。実はわからないのです。
「理由がわからなくても計算で結果を求めることができるので、それで良いよね。」という解釈をコペンハーゲン解釈といいます。
欠陥を指摘する「EPRパラドックス」を考えたのですが、パラドックスが正しいことが証明されました。「EPRパラドックス」については省略します。本で楽しんでください。本の山場です。
パラドックスが正しいということは、「隠れたの変数」は無いっぽいのです。「神様はサイコロを振っていた」わけで、原理が無いというコペンハーゲン解釈のほうが、実に的確な解釈だったのです。
量子論を考えてゆくと多世界解釈(パラレルワールド)もあるんじゃないの?むしろコペンハーゲン解釈より、ありそうだよね!という話になるのが量子論の最大の魅力です。どうですか。ワクワクしませんか?
ミクロの世界では、原子や電子は「重ね合わせ」の状態と考えます。
例えば電子1つが、右にある確率が50%、左にある確率が50%とします。電子が箱の中のどちらにあるか想像してみてください。
物理的に考えると電子はクルクル回っていて、見た時に電子が右か左にあります。運動量がわかれば位置もわかるという考え方です。
例えると「トイレにいる自分」と「パソコンの前にいる自分」が同時に存在しています。「おーい」と呼ばれたときに、トイレにいるのか、パソコンの前にいるのか、決まるという考えです。ありえない現象がミクロの世界では、日常なのです。
そんな馬鹿な・・・と多くの人が感じていろんな実験をしたのですが、結果として「重ね合わせ」が正しいことがわかりました。その一つが「ダブルスリットの実験」です。
観測すると干渉縞が現れないなど、もう何が不思議なのかすら、わからないと思います。
電子の性質は「波」であるといろんな現象の説明がつくのですが、観測すると「粒」になります。「粒」の状態の電子しか見つかっていません。「粒」では「波」のような性質をもつ説明ができません。そのような位置と運動量を同時に確定できないことを不確定性原理といいます。
端的に「重ね合わせ」の状態としか言いようが無いことが確認されました。
二重スリットの実験では、2つのスリットを1つの電子が同時に通ったから(重ね合わせの状態で同時に存在している)、干渉を起こしたと考えたのです。物質波といって、原子や電子などは、すべてそのような性質をもっています。
ミクロとマクロの世界は繋がっているのに、法則がまったく異なるのはおかしいですよね。意味がわからない。それを指摘したのが「シュレーディンガーの猫」です。
5章にはあの有名な「シュレーディンガーの猫」の話が詳しく出てきます。「シュレーディンガーの猫」は、Web上の浅い説明では、こんな感じでしょう。
箱にネコがいて50%の確率で死んでいる。開けた時点で生死が確定する。なのでネコは生きた状態と死んだ状態が重なりあっている。
「開けるまでわからないのはあたりまえ」
「観測によって運命が確定するなんてSF(笑もしくは感動)」
「50%の確率だからね(だからどうした)」
「僕達の世界はパラレルワールド(よくわからないけど)」
というあんまり理解していない解釈をして終わると思います。私もそうでした。ネットを見てもだいたいそんな感じです。
「シュレーディンガーの猫」は、「ミクロの世界の量子論を、マクロの世界に当てはめると絶対におかしい。ミクロもマクロも繋がっているわけだから、こうなるはずだけど、実際はそうならないでしょ?」とシュレディンガーの皮肉的な思考実験なのです。
そこで登場するのが多世界解釈です。観測をしたら状態が決まるのではなく、それぞれ状態が決まった世界に分かれているという考え方です。
猫が死んでいる世界と、猫が生きている世界に分かれており、それぞれの世界で観測したときに、それぞれの結果がわかるというアイデアです。これなら、観測した瞬間に状態が決まるという矛盾がなくなります。
こんな話しを分かりやすく説明してくれる素晴らしい本でした。理系じゃないけど、量子論や「シュレーディンガーの猫」を理解しているフリをしたい人は読むべき本です。
学術的な説明は少なく、文章として量子論の概要を知ることができます。物理や科学の知識が無くても量子論を楽しめます。悪くいえば本当の知識は手に入らないでしょう。
がしかし!
量子論とは何か?がわかります。読む度に画期的で、脳みそに刺激が走ります。そして難しいから内容をすぐ忘れます。何度も楽しめます。お得な本です。ちなみに半年前に1回読んで、最近また読み直しました。量子論を知りたい人は一読する価値があります。何が面白いかご紹介します。
1章から3章はつまらない
1章から3章は、光の話しから、原子の話しになって、電子のさまざまな実験を得て、量子論ができるまでの歴史の説明です。この部分はつまらないです。挫折しそうになります。読み飛ばしましょう。くじけないことが大切です。
4章から面白くなってきます。「電子のダブルスリットの実験」「観測」「不確定性原理」など、量子論の不思議な世界が出てくるのです。アインシュタインが提案した「EPRパラドックス」もワクワクします。
目次はこんな感じ
序章 量子論の世界へようこそ1章 量子の誕生―量子論前夜
2章 原子の中の世界へ―前期量子論
3章 見ようとすると見えない波―量子論の完成
4章 自然の本当の姿を求めて―量子論の本質に迫る
5章 枝分かれしていく世界―解釈問題を追う
6章 究極の理論へ向けて―量子論が切り開く世界
パラレルワードにつながる量子論の魅力
量子論を簡単に説明すると、ミクロの世界(電子や原子)を考えるための理論です。ミクロの世界は、私達が見ている大きな世界の物理法則は通用しません。なぜ通用しないのか。なぜ量子論のようになるのか。実はわからないのです。
「理由がわからなくても計算で結果を求めることができるので、それで良いよね。」という解釈をコペンハーゲン解釈といいます。
アインシュタインも出てくる
アインシュタインは、量子論が正しいとしてもコペンハーゲン解釈に反対だったそうです。原理は不明だけど、波動関数から粒子の存在確率がわかることに対して、アインシュタイン「神様はサイコロを振らない」と怒り、隠れたの変数があるはずと考えました。欠陥を指摘する「EPRパラドックス」を考えたのですが、パラドックスが正しいことが証明されました。「EPRパラドックス」については省略します。本で楽しんでください。本の山場です。
パラドックスが正しいということは、「隠れたの変数」は無いっぽいのです。「神様はサイコロを振っていた」わけで、原理が無いというコペンハーゲン解釈のほうが、実に的確な解釈だったのです。
有名なネコ
シュレーディンガー(猫ではなく実は人間です。)も、別の欠点を考えました。有名な「シュレーディンガーの猫」です。これを考えてゆくとコペンハーゲン解釈より、多世界解釈(パラレルワールド)という考え方がもっとも自然になるという驚きの展開が待っています。量子論を考えてゆくと多世界解釈(パラレルワールド)もあるんじゃないの?むしろコペンハーゲン解釈より、ありそうだよね!という話になるのが量子論の最大の魅力です。どうですか。ワクワクしませんか?
ありえない?量子論は重なりあった状態が日常的
ミクロの世界では、原子や電子は「重ね合わせ」の状態と考えます。
例えば電子1つが、右にある確率が50%、左にある確率が50%とします。電子が箱の中のどちらにあるか想像してみてください。
物理的に考えると電子はクルクル回っていて、見た時に電子が右か左にあります。運動量がわかれば位置もわかるという考え方です。
常識を超える概念
量子論では、電子が右にも左にも同時に存在していると考えます。見た時に左右のどちらかに、50%の確率で電子が発見されるのです。左右どちらにも同時に実際し、存在していることを「重ね合わせ」といいます。例えると「トイレにいる自分」と「パソコンの前にいる自分」が同時に存在しています。「おーい」と呼ばれたときに、トイレにいるのか、パソコンの前にいるのか、決まるという考えです。ありえない現象がミクロの世界では、日常なのです。
電子の二重スリット実験
壁に2つのスリット(穴)を開けて、電子を1粒ずつ何度も発射すると、干渉縞が現れます。もし電子が「粒」だけの性質であれば2つの線が現れます。「波」の性質があるのです。下記の動画がわかりやすいです。観測すると干渉縞が現れないなど、もう何が不思議なのかすら、わからないと思います。
電子の性質は「波」であるといろんな現象の説明がつくのですが、観測すると「粒」になります。「粒」の状態の電子しか見つかっていません。「粒」では「波」のような性質をもつ説明ができません。そのような位置と運動量を同時に確定できないことを不確定性原理といいます。
端的に「重ね合わせ」の状態としか言いようが無いことが確認されました。
「重ね合わせ」が正しい?
量子論で計算できるけど原理はよく分からない。原理が無い確率(完全にランダム)を持つ状態を表すなら、「重ね合わせ」がもっとも近いイメージです。二重スリットの実験では、2つのスリットを1つの電子が同時に通ったから(重ね合わせの状態で同時に存在している)、干渉を起こしたと考えたのです。物質波といって、原子や電子などは、すべてそのような性質をもっています。
ミクロとマクロの世界は繋がっているのに、法則がまったく異なるのはおかしいですよね。意味がわからない。それを指摘したのが「シュレーディンガーの猫」です。
「シュレーディンガーの猫」は皮肉
5章にはあの有名な「シュレーディンガーの猫」の話が詳しく出てきます。「シュレーディンガーの猫」は、Web上の浅い説明では、こんな感じでしょう。
箱にネコがいて50%の確率で死んでいる。開けた時点で生死が確定する。なのでネコは生きた状態と死んだ状態が重なりあっている。
浅い間違った理解
これだけを読んだ人は、「開けるまでわからないのはあたりまえ」
「観測によって運命が確定するなんてSF(笑もしくは感動)」
「50%の確率だからね(だからどうした)」
「僕達の世界はパラレルワールド(よくわからないけど)」
というあんまり理解していない解釈をして終わると思います。私もそうでした。ネットを見てもだいたいそんな感じです。
「シュレーディンガーの猫」は、「ミクロの世界の量子論を、マクロの世界に当てはめると絶対におかしい。ミクロもマクロも繋がっているわけだから、こうなるはずだけど、実際はそうならないでしょ?」とシュレディンガーの皮肉的な思考実験なのです。
誰も解決できない。。
これが素晴らしい指摘で、誰もこのパラドックスを正しく解決できないのです。ミクロの差異は小さいので、マクロに影響しない等のそれっぽい考えもあるのですが、根本的な解決はできていません。そこで登場するのが多世界解釈です。観測をしたら状態が決まるのではなく、それぞれ状態が決まった世界に分かれているという考え方です。
猫が死んでいる世界と、猫が生きている世界に分かれており、それぞれの世界で観測したときに、それぞれの結果がわかるというアイデアです。これなら、観測した瞬間に状態が決まるという矛盾がなくなります。
こんな話しを分かりやすく説明してくれる素晴らしい本でした。理系じゃないけど、量子論や「シュレーディンガーの猫」を理解しているフリをしたい人は読むべき本です。