おすすめ記事ピックアップ
KINGJIM(以下キングジム)PORTABOOK(以下ポータブック)XMC10を、いろんな機種と比べてみました。歴代ポメラシリーズと比べてどうなの?タブレットと何が違うの?薄型ノートと比べると小さいの?そのあたりを中心に紹介して検証してゆこうと思います。
Amazonでポータブックをチェック
ポーターブックの発売は2016年2月12日です。価格は9万円前後。ポータブックは、さまざまなメディアでレビューされています。さすが優秀なキングジム広報です。ポータブックの詳細なレビューは、各種メディアの記事を見れば120%わかるでしょう。そのため詳細は省略します。
ざっくりポータブックを紹介します。OSはWindows10です。大きめな手帳と同じサイズのA5サイズノートです。そのサイズを実現するために、可変式の「スライドアーク キーボード」を採用しています。A5サイズながらフルサイズのキーボードが特徴です。キングジムのノウハウが詰まった堅牢なキーボードです。歪みやガタツキなく安定したタイピングができます。加えてビジネスシーンで使える拡張性を備えてモデルです。
PORTABOOK(ポータブック)XMC10
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/
SPECはこんな感じです。
歴代ポメラシリーズとポータブックXMC10を比較
ポメラシリーズは主にDM5、DM10、DM20、DM25、DM100のラインアップがあります。DM5からDM25は、折り畳み式のキーボードです。折りたたみ式のキーボードこそがポメラという人には、上位機種のDM25が完成形といえます。こちらはDM25です。
DM100は、折りたたまないタイプのキーボードです。邪道ともいえるモデルですが、打ち心地は一番優れています。ノートパソコンや通常のキーボードと同じ感覚で入力できます。こちらDM100です。
ポータブックは、DM25のように変形で開くキーボードですが、打ち心地はDM100とほぼ同じです。ポータブックはDM100のキーボードの性能を持ちつつ、折り畳み式のコンパクト性能を実現しています。
ポータブックは、ポメラシリーズのキーボード技術のノウハウが濃縮した製品といえそうです。写真の上がDM25、真ん中がDM100、一番下がポータブックです。
ポータブックのOSはWindows10です。システム面から考えるとポータブックとポメラシリーズはまったく別物です。比較して考えてはいけません。コンセプトがまったく違います。また通常のWindows10タブレットにキーボードが付いた製品として見ても、まったく魅力がないでしょう。
ポータブックの魅力は何か
Windows10タブレットに、ポメラシリーズのキーボードのノウハウを濃縮したことで、A5手帳サイズを実現しながら、同時にフルキーボードの入力しやすさも実現したという変態なモデルであることが特徴です。まさにニッチの王道キングジムです。Windows10を入れたことで、道を外れた印象を受けますが、よくよくモデル比べて触ってみると、ニッチを極めるコンセプトにブレはありません。ポーターブックをお勧めできるユーザーは、新幹線や飛行機などでの移動が多いビジネスマンにお勧めできるノートブックです。新幹線や飛行機などの、簡易の卓上テーブルではA4サイズのノートはハミ出てしまいます。安定した利用ができません。
ポーターブックなら、A5サイズなので、ちょうどよいサイズに収まります。そしてフルキーボードの入力を実現できます。さらにWindows10が使えるので、まさに新幹線や飛行機などでの移動が多いビジネスマンには、とても役立つ製品でしょう。それ以外の用途は、イマイチ思いつきません。法人向けの移動用に特化したノートパソコンと言えます。
ポータブックXMC10(A5サイズ)とVAIO Pro 13 mk2(A4サイズ)を比較
A5サイズはA4サイズの半分です。実際に比較してみましょう。こうやって見ると本当に小さいです。もちろん左上がポータブックです。しかし厚さは2倍~3倍です。
昔の光学ドライブが付いたノートPCと同じ厚さです。
奥行も短いのでA4サイズノートと比較すると、やはり小さく見えます。
キーボードのサイズを比べて見ましょう。VAIO Pro 13 mk2と比べると一回り小さい感じです。
ポータブックは、フルサイズのキーボードに近く、快適に入力できます。どのパソコンを使っても同じことですが、ESCや半角などの端っこのキーは、慣れるまで時間がかかります。
コネクタ周りは、D-sub出力が特徴です。古いモニターへの出力できます。ビジネスの場合は、D-subモニターしかないことが多いから便利です。欲を言えばLANコネクタも欲しかったです。上の写真がポータブックです。下はVAIO Pro 13 mk2です。
ポータブックXMC10の重さは約830g、VAIO Pro 13 mk2は約1kgです。鞄に入れてしまえば、差を感じることは難しいです。
VAIO Pro 13 mk2は10万~15万です。CPUはCore i3~i7です。性能は遥かにVAIO Pro 13 mk2が優れています。A5サイズに魅力を感じなければ、普通のA4サイズのノートパソコンを購入したほうが良いでしょう。ポータブックはA5サイズであることがすべての価値です。
ポータブックXMC10(A5サイズ)と格安8インチWindow10タブレットと比較
約9万円のポータブックと、約1万4000円(海外では80ドル)の格安Window10タブレットと比べてみましょう。格安Window10タブレットはCHUWI製です。正規流通の国内メーカ品の場合は、同スペックのタブレットは19800円~29800円ぐらいの価格でしょう。2016年1月時点の格安CHUWI製のタブレットは、Intel Atom x5プロセッサーを搭載しています。ポータブックXMC10はIntel Atom x7プロセッサーです。少しだけポータブックのほうがSPECは高めです。メモリやストレージはほとんど同じです。処理性能的なものは、ほぼ差がないと見てよいでしょう。
8インチWindow10タブレットより、ポータブックは一回り大きいです。重さはポータブックが約830g、格安8インチWindow10タブレットは約350gです。明らかにタブレットが軽いです。ポータブックはやっぱりキーボードが重いのでしょう。
こうやってポータブックにタブレットを置いてみると、妙な気持になります。
格安8インチWindow10タブレットはIPS液晶です。ポータブックは8型TFTカラー液晶です。
ポータブックはマットな画質です。細かい文字などもしっかり読めます。ビジネスで使う分には困らないでしょう。むしろ控えめで見やすい感じさえします。しかし古い昔の液晶モニター感を感じます。9万もする機種なのに何故このモニターなのだろうか。。という疑問を感じます。
タブレットとワイアレスキーボードと、タブレットを一緒に使えば、かなり近い環境を構築できるでしょう。安いものを探せば、3万円以下で購入できるはずです。
この観点から見た場合、ポータブックの最大の魅力は、タブレットサイズでありながら、しっかりとしたフルキーボード入力ができることになります。
レベルの高い折り畳み式のワイアレスキーボードが出てしまったら、ポーターブックの魅力は劣るでしょう。でもあの完成度の高さの日本語キーボードは、ニッチ過ぎて多分出てこないでしょう。
感動した機能フィンガーマウス
レノボなどの通称「赤い鼻くそ」は、なれないと上手く使えません。ポータブックのフィンガーマウスは、光学式で認識するようで、非常に使いやすいです。初めてでもサクサクとカーソル操作できます。メディア等の評価は低めでしたが、私はとても使いやすく感じました。カーソルの移動速度の設定を遅くすれば、十分使えます。
あえて、あえて、欠点を上げれば
ビジネス用途であることを抜きにした感想です。ビジネス用途であれば気にならない問題点です。個人用途でノートパソコンとして購入する場合は、このような点が欠点でしょう。9万円という価格ならCoreiシリーズの薄型ノートの方が魅力的です。ポメラシリーズは、テキスト入力に特化した端末でありATOK然りいろいろな入力支援機能がありました。ポータブックはキーボード以外は、普通のWindows10ノートパソコンなので、非常にがっかりです。9万円するなら、せめてATOKぐらいほしかったです。モニターの画質も古いノートパソコンのようです。
モバイルバッテリー充電できるメリットはありますが、ポータブックはバッテリーの持ちが短いです。せめて1日(実動で8時間)はバッテリーがもってほしかったです。補助バッテリーも一緒に持ち運ぶのは苦行です。またポータブックはA5サイズですが厚みがあり、ポメラのように気軽に持ち運ぶ気にはなれません。
法人向けの移動用に特化したノートパソコン
新幹線や飛行機などの移動が多いビジネスマンで、Windowsで移動中に資料や報告書をテキストで書く必要性があり、その時間の利用に価値を見出せるならまさにポーターブックは素晴らしいノートパソコンです。法人向けの移動用に特化したノートパソコンと言えます。まさにニッチの王道キングジムです。